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Silver Nullf MoviesReview

ゆりかごを揺らす手

サイコ

Summary

クレア・バーテルは二人目の子供を妊娠しており、産婦人科へ診察へ行くのだが産婦人科医のモット医師からわいせつな行為を受ける、夫のマイケルにそのことを話すと告訴を進められる、乗り気ではなかったクレアだが他の女性が被害にあうことになるとマイケルに説得され告訴することを決意。
告訴すると自分も被害にあったと言う女性が次々現れ、モット医師は自殺をしてしまう。
残された妻のモット夫人とお腹の子は、被害女性の賠償金の関係で遺産は州政府に差し押さえになる。
心労が重なってか妊娠している子供を流産してしまう。
半年後、クレアは無事出産し趣味の植物のための温室を作りたいと考えていたが、そうなると忙しくなるためベビーシッターを探していた。
そしてモット夫人はベビーシッターのペイトンとしてバーテル家に入り込むことに成功する。

Review

1992年制作のサイコスリラー映画
監督:カーティス・ハンソン
脚本:アマンダ・シルヴァー
製作:デヴィッド・マッデン

ペイトン、あの手この手が過ぎる
徐々にあらわになる狂気、まさにサイコスリラーと言える作品。

以下ネタバレにご注意下さい。

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ざっくりしたストーリー

  • 流れ
  • 妊娠中のクレアが診察時に医師にいやらしく体を触られる事案が発生し、そのことを夫に相談した結果訴えを起こすことになる。
    すると、被害にあったと主張する女性たちが次々現れ医師は自殺してしまう。医師の妻であるモット夫人も妊娠中だったが、心労から流産してしまい、一人になってしまった。

    復讐を誓うモット夫人はペイトンと名乗りクレア宅のベビーシッターとして潜入に成功、ペイトンはあの手この手の手段を用いて二人の子供を懐かせることに成功する。
    クレアはペイトンの策略により夫が浮気をしているのではと疑心暗鬼に陥ることになる。
    庭の垣根を作る手伝いをしに来ていた精神障害を患っている心やさしき男ソロモン。彼にクレアの息子に授乳している姿を見られたペイトンは追い出すように画策し、ペイトンの正体に気づいたクレアの友人も事故に見せかけて殺害してしまう。

    喘息持ちであるクレアは友人の死体を見て喘息の発作が起きるが、ペイトンが吸入器を隠していたことで喘息が悪化し病院に搬送される。
    クレアは大事には至らず、せっせとペイトンについて調べを進め友人がたどり着いた真実に自身もたどり着く。

    ペイトンを追い出すことに成功したが、クレアの家族ではなく自分の家族だと思い混んでいる錯乱の進行したペイトンは、子供達を奪おうと戻ってくる。
    しかしそこへ追い出されたソロモンがやってくる、彼の機転のおかげで子供達は難を逃れ、クレアは喘息のふりをして油断させペイトンを家の2階から落とすことに成功し、ペイトンは柵に刺さって死亡しましたとさ。

以下感想

  • なんやかんや
  • 復讐というより、自分が手にするはずだったものを取り戻そうとサイコと化す恐怖。当初は復讐だったが、幸せな家族の中へ入り込んだペイトンは、クレアの家族を自分の家族と思い込むようになり、サイコを体現するのだった。

    観察力、応用力、発想力、人心掌握術・・・ペイトンの才能、止まるところを知ず
    追い詰め方が段階的で、細かい。家族が、そしてペイトン自身が侵食されていく過程が丁寧に描かれているサイコスリラー

    菜園に精を出し、温室を作る。そのためにポンと乳母を雇い、ソロモンに自転車を買う。
    つまり、何一つ不自由のない幸せな家庭であり、理想的な生活である。ペイトンの失った全てとの対比は、憎しみが増幅する過程として、ペイトンにとっても視聴する側にとっても十分な環境であり説得力なわけですね。

    また妻クレアのイイトコ育ちの世間知らず感、お人好し感がいい味になっているとも言えるし、頼りなさ、やられっぱなし感がストレスとも言える。
    喘息持ちという事もそうだけど、精神的にも弱く見せている。一人でなんでもござれのペイトンとの対比は、追い詰められる世間知らずの女性というある種当然の成り行きだけではなく、ありがちながら最終的に見せる、子供を守る母親としての強さが際立つというものですかね(とはいえ、娘のエマやソロモンが優秀すぎて霞んでる)。喘息というハンデ(弱さ)も最後に強みとして見せている。

    ペイトンのソロモンへのあれやこれやは許すまじだけれども、この要素はペイトンへの嫌悪感を上げてくれるわけです。そもそもペイトンを好きになる要素なんてないけども、それでも同情の余地がある人物背景なので、明確な敵としては弱い部分もある
    ソロモンへの悪行でペイトンの本来の姿を垣間見ることができるとも言えるのではないかと。

    ペイトンの精神の揺らぎも段階的に表現されていて、クレアの子供がペイトンに似ていると言われた時、クレアに夫が亡くなったことを話した時など、ペイトンの計画というのか最終的な目的は、こういった段階を経て変わっていき、自分の家族と思い込む。
    丁寧に段階を踏んでいく過程はサイコスリラー作品として重要な要素ですよね。

  • というわけで
  • 個人的にはクレアが事の真相に気づいてからの展開の無駄のなさに良さがあって、事の真相に気づくのが遅いだけとも言えますが・・・。「信じてもらえないクレア」のようなストレスを感じる必要のない好みな展開でした。

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