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Silver Nullf MoviesReview

鑑定士と顔のない依頼人

Summary

美術鑑定士ヴァージルは、クレアという女性から電話で親の残した美術品を競売にかけて欲しいという依頼を受けるのだが、なぜか本人に会おうとしても何かと理由をつけて会えないことが続いた。

Mystery

Review

2013年制作のミステリ映画R12作品
監督:ジュゼッペ・トルナトーレ
脚本:ジュゼッペ・トルナトーレ

クレアという若い女性に惹かれていく美術鑑定士ヴァージルおじさんが行き着く先は?
イタリア産のミステリ映画、個人的には丁寧なミステリーという印象でしたが。

主要人物
  • ヴァージル・オールドマン
  • 美術鑑定士
  • ロバート
  • 機械職人
  • クレア・イベットソン
  • 物書き・依頼人
  • ビリー・ホイッスラー
  • 画家・ヴァージルと手を組んで不正に絵画を安く手に入れている

以下ネタバレにご注意下さい。

以下感想と妄想と

  • 4行で表す意味はわかりませんが
  • 情緒不安定すぎない?→
    もうクレア出てきちゃうのね→
    恋愛のゴタゴタであれかー→
    ファー!!
    4行で表すならこんな印象でしたか。
  • 丁寧な恋愛パート
  • 恋愛要素というか恋愛パートに関してですが、この要素がかなり丁寧に描かれていると感じていて、若い男に取られて終わるような話を想像さすことで、ある意味で展開のハードルを一回下げる効果を生んでる、というか私のハードルがここで下がったというだけの話かも。
  • ヴァージルおじさん弄ばれる
  • ヴァージルは女性に対して恐怖心を持っており、普段から手袋をつけているのも直に人に触れるという行為に恐怖を感じる、ものに直に触れるのも嫌悪感を抱いてしまう。
    彼女が広場恐怖症の女性を演じたのは、自らが考察したのかビリーの長年の考察の結果かはわかりませんが、この彼の持つ過剰な恐怖心を理解してくれる女性の存在が彼の深いところに入り込むには必須だったからということだと思います。

    ヴァージルにとってこの自身の問題を打ち明ける女性などもちろんいないでしょうし、まして共感できる存在に出会えたわけですから、これだけでクレアは相当特別な存在になれたはずです。
    パスポートで幼い頃の顔を見せ想像を膨らまさせて、今の彼女を見たくなるように仕向けています。
    何かに恐怖することを共有する存在、そんな彼女が美しい女性であれば・・・落ちるでしょう

    距離を縮めては距離を置きを繰り返してと、ヴァージルは言わば恋をした中学生みたいなもんなので・・・こんなことされたら・・・ねぇ?
    拒絶しては許しを請う不安定な内面を晒すことで、ヴァージルが疑念を持つ余地を無くしていくという部分はクレア、もしくはクレア達の慎重さを伺えます。

  • ロバート
  • ビリーがプロの詐欺師に話を持ちかけてプロが必要数を揃えたのか、そもそもそういう集団なのかはわかりませんが、緻密に計画を練りそして時間をかけて実行したということなんだろうと思います。

    ロバートに仕事の話を持ちかけに行ったシーンでは、ヴァージルはロバートに対して敬意が、仕事上の信頼関係があることが伺えます、そして鉄材に仕掛けた矛盾に必ず興味をもつだろうと考えたロバートなのかビリーなのか・・・
    とにかく騙す側の人間たちがヴァージルの内面をものすごくよく理解している

    18世紀の機械人形製作者J・ヴォーカンソンのオートマタ(機械人形)という存在を卒業論文に書いたとの発言から見ても、しっかり過去に遡ってヴァージルという人間を調べていることが伺えます。
    付き合いの長いビリーがというよりも詐欺師達のリサーチの結果じゃないかと勝手に思ってますが。
    このオートマタはクレアとの関係性を構築する前段階のつなぎとして用意したもので、打算的にこの仕事を続ける理由づけとしての役割を担っていました、最初の餌ですね。

    彼がヴァージルを導く役目ということもあり、2人はこの段階である程度の信頼関係が必要だった、故に1年前、2年前もしくはそれ以前より機械職人としてヴァージルと接触していた。
    詐欺師は怖い

  • ロバートただの機械職人てことは・・・
  • 作中で明言されていないので彼の本職が機械職人の可能性もなくはないですよね。
    ターゲットのヴァージルと以前より仕事上の関係があったロバートに話を持ちかけたという考え方。

    ただ屋敷を借りて、彼女のサラも共犯でとなるとこの可能性は少々無理筋な気もします、なので前者の方がすんなり入ってくると思ってます。

  • 手のひらのヴァージル
  • クレアとの関係を指南してもらう過程でロバートは友達に昇格!!テッテレー、後々恋敵の疑いもでてきますと。
    そしてクレア失踪。
    クレアを恋愛対象として意識さすためのもので、自分にしか姿を見せていない彼女に安心していたヴァージルに発破をかけて先へ進ませる、彼女からではなく自分から進ませる、最終段階だったのではないでしょうかね。
    そしてクレアはヴァージルの命の恩人になる、ヴァージルへの愛が恐怖心を乗り越えさせ、そして彼の命を救ったんだよと。
  • ヴァージルに色恋は強敵
  • 詐欺の手法としても色恋が間違いなくヴァージルには一番適しているということで、単純に有能な男であることは間違いないので、恋愛という論理より感情が優先される分野に持ち込んだ方がリスクが少ないという点もあると思いますが、何よりヴァージルに与えるダメージを考えてのことでしょうね。

    とにかくのめり込んでもらうために慎重に慎重を重ねるビリーの復讐心が(ビリーの案ではないかもですが)怖いというか痛い

  • たとえ何があっても縛り
  • ビリーと手を組んで不正に集めた絵画のある隠し部屋に入ることに成功したクレア。
    ヴァージルから一緒に住もうと申し込まれ、「たとえ何があっても愛してる」と発言していました。
    事が露見した後、騙されたことが憎悪に変わるリスクをできる限り0に近づけておくことで、復讐に燃えるリスクや、自分の不正を顧みず警察に駆け込まれるリスクを最小限にしたと。
    「たとえ何があっても」という言葉がラストのヴァージルを作ったんじゃないかと。
  • ビリー
  • ビリーはヴァージルの最後の仕事を終えたあと彼に、君が信じてくれたら俺も偉大な画家になれたといっています。
    これが全ての事の始まりなんですが、この作品におけるヴァージルの絵を見る目は間違いなく一級品であるという前提で言えば、ビリーが描いたクレアの母親という設定の絵を大した絵ではないと発言していることからも、ビリー、そういう事だっ
    主観的なものなのであれですが、ヴァージルは少なくとも才能がないと思っているわけで、ないものをあるとは言えないでしょう。
    ただクレアに出会う前のヴァージルはなんとも嫌な野郎なんで、ビリーもいろいろ溜まってた部分もあったんでしょうね。
  • そして何もなくなった
  • 騙されたその後クレアが話していたプラハのカフェナイト&デイでクレアを待つヴァージル、もうここしかないとクレアを信じて待つわけですが、信じることしかできないヴァージル、ここで信じることをやめた場合ヴァージルに残るものは何もなくなってしまうと。
    そして何もなくなったヴァージルは施設に入った。

    施設に秘書さんが来てくれていましたが、実は近くに信頼できる人間はいたと。
    そういう人達との交流をなおざりにしていなければヴァージルはこんなことにはならなかったかも。

  • というわけで
  • 個人的にはとても楽しめた作品でした。
    ただ、作中で語られる復讐の動機がしょうもなさすぎる
    ビリーにとっての大事な部分であることはわかるけども・・・

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