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Silver Nullf MoviesReview

エスター

ジャンル:サイコ

Summary

3人目の子になるはずだったジェシカを流産してしまったケイトはその悲劇から完全には立ち直れないでいた。
初めて孤児院に行くことに決めたが、ジェシカを流産した悪夢を見る。
まだ養子は早いのかもと考えるが、ジェシカに注ぐはずだった愛情を、必要な子にあげたいと、孤児院に行くことを決意する。
夫のジョンとともに孤児院に来たケイトはそこで出会ったエスターという少女を気に入に入り彼女を養子に迎えることにするのだが。

Review

2009年制作のサイコ・スリラー映画R15+作品
監督:ジャウム・コレット=セラ
脚本:デヴィッド・レスリー・ジョンソン
製作:ジョエル・シルバー

サイコが我が家にやってきますよ
子役がみんな優秀である。マックス可愛いい。

以下ネタバレにご注意下さい。

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ストーリー(長いので注意!!)

  • 始まり
  • 流産してしまった娘(ジェシカ)に注ぐはずだった愛情を、必要としている子にあげたいという思いから、孤児院へと赴きエスターに出会う。彼女を気に入った2人は養子に迎え入れることにする。
    難聴の末娘マックスとエスターはすぐに打ち解けた。
  • 片鱗
  • ある時、息子のダニエルは飛んできた鳩をペイントボールガンで撃った。当たりどころが悪かったのか鳩は地面でもがいていた。
    それを見つけたエスターは楽にしてあげろと、鳩の大きさほどの石を渡そうとするが、ダニエルにはもちろんそんなことはできず拒否をした。するとエスターは石を振りかぶり、鳩を潰した。
  • ケイトの不安
  • ケイトがエスターの洗濯物をタンスにしまおうとした時、何かが引っかかる。そこには聖書のようなものが、聖書の中には男性の写真が挟まっていた。

    ケイトはエスターに日記帳をプレゼントする。家族の写真を貼ったその日記帳を二人で眺めていると、エスターがジェシカについて尋ねてきた。
    ケイトは亡くなった娘ジェシカとその遺灰を蒔いた白いバラの花の話をした。エスターとの距離が縮まったと感じ喜ぶケイトだったが、その夜、夫婦の営みをエスターに見られてしまう。

    次の日、ケイトは説明しようと彼女の部屋へ行くのだが、エスターは「ファックでしょ?」と冷たく言い放った。
    ケイトはエスターがファックという単語を漠然とした、汚い言葉としてではなく、意味をわかった上で使っていたと感じ、エスターの過去に不安を抱く。

  • 亀裂
  • 公園に遊びに来たエスター達、そこには学校で嫌がらせをしてくる少女も遊んでいた。エスターに見つめられる少女は、遊びながらもエスターの存在を気にしていた。
    少女がエスターのいたブランコを見るとそこにはもうエスターの姿はなかった。
    少女はおそるおそるエスターを探すが、滑り台まで上がったところで突如現れたエスターに押されてアスレチックから転落してしまう。

    自宅に戻り重い空気の食卓、少女の証言もあり疑われたエスター。
    マックスは真実を見ていたが、エスターを慕っていたため、嘘の証言でかばった。

    買い物中、シスター・アビゲイルから連絡を受けたケイトはエスターが少女を押して怪我をした疑惑の話をした。エスターはマックスの読唇術を使い、会話内容を知る。

    エスターのケイトへの態度が徐々に冷淡になってくる。
    エスターはマックスの耳の障害を揶揄するような発言をし、ケイトは疑念をより一層深めた。ただ、夫ジョンはケイトの疑念に耳を貸さず、夫婦は険悪になっていく。

  • シスター
  • 後日、シスター・アビゲイルはケイト宅を訪ね、エスターについての認識が間違っていたかもしれないと伝える。問題のあるところに必ず彼女がいたと言い、前の養父の家の火災も放火であり、犯人はまだ捕まっていないと語った。
    エスターのことを調べようとしているシスター・アビゲイル。隠れて聞いていたエスターはマックスを囮に使い、帰り際のシスター・アビゲイルを殺害する。
    マックスに証拠の始末を手伝わせるエスターは共犯だと脅し口止めをした。証拠を隠しツリーハウスから出て来る二人を目撃したダニエルはすぐさま隠れてその場をやり過ごしたかにみえたのだが、その夜エスターにカッターを突きつけられ脅される。
  • 探偵ケイト
  • カウンセリングに連れてこられたエスターはうまく立ち回り、ケイトを悪者にすることに成功する。カウンセラーと夫ジョンはケイトの話に耳を貸そうとはしない。

    シスター・アビゲイルが死亡したことが発覚し、疑惑を深めたケイトはエスターを調べたいとジョンに話し、ジョンも渋々了承する。
    調べてみるとエスターがいたとされるロシアの孤児院には、彼女の記録がないことがわかる。

    ケイトはダニエルとマックスにそれとなくエスターとのことを聞き出そうとするが、脅されている二人は何も語ることができなかった。

  • 腕を折る
  • ジェシカの遺灰を撒いて育てた白いバラ、ジェシカの象徴のバラをエスターは全て切り取りケイトにプレゼントした。
    ジェシカの象徴とも言える白いバラを全て刈り取られ激昂するエスターは、バラを奪おうとする際エスターの腕を掴んだ。腕が痛いと叫び、そして走り去るエスター。

    エスターは別室にてケイトにつかまれた方の腕を自ら万力でへし折り、ジョンにその痛々しい腕を見せた。このことでケイトはついに寝室から追い出された。
    夫婦の亀裂がより深まっていく中、ケイトは断っていた酒に手を出しそうになるが、なんとか持ちこたえる。

  • 追い詰められるケイト
  • ケイトが子供達を学校へと送った際、エスターの策略によりマックスを乗せた車が坂を下り始めあわや大惨事に。マックスは無事だったが、エスターのせいにするケイトにカウンセラーとジョンはうんざりした様子で、ケイトが隠していた酒を出した。
    過去マックスが池に落ちてしまった時ケイトは酒を飲んでいて危うく死んでしまうところだったという前科があり、二人は治療することを勧めた。ケイトは酒は飲んでない、信じて欲しいと懇願するが、ジョンは治療施設に行かないのであれば、離婚し子供ももらうと冷たく言い放った。

    息子ダニエルは家族の危機に立ち上がり、マックスに話を聞き、ツリーハウスにエスターの悪事の証拠があることを知る。

  • 探偵ケイトその2
  • 施設に入れられる前に、子供を連れて家を出ようとマックスの部屋に入るケイトだったが、そこにはエスターが待ち構えており、ケイトは脱出作戦を断念。
    次の日ケイトは隠していた聖書を見つけ何か情報がないか探す。そこにはジョンくらいの年の男性の写真が複数出て来た。そしてその聖書には「サールン・インスティチュート」と書かれていた。
    そこを調べ連絡を取ってみると、そこは孤児院ではなく、精神病院だった。
  • 一方ダニエルは
  • ダニエルは証拠を見つけようとツリーハウスへ。そこにはエスターが待ち構えており、シスター殺しの証拠に火をつけダニエルを閉じ込める。
    屋根に逃げたダニエルだったが落下し気を失ってしまう。エスターにトドメを刺されそうになるが、マックスが体当たりでそれを阻止、ケイトが駆けつけてきたためエスターはトドメを刺すことを一旦諦めた。
  • 病院でも
  • 病院に運ばれたダニエルは命に別状はなかった。ジョンに精神病院にいたかもしれないと話をするケイトだが全く信じようとしないジョン。
    2人が話している間にエスターは口封じのためダニエルを枕を使い窒息させる。容体が急変したことを知ったケイトはエスターだと確信し平手打ち、ケイトは鎮静剤を打たれ眠ってしまう。
    ダニエルはなんとか一命を取り留め、ジョンはケイトを残し2人の娘を連れて自宅に一旦戻る。
  • 本当の私
  • その夜、エスターは黒のドレスを着ると、厚化粧を施し義父であるジョンの元へ現れる。異性として愛していることを伝え誘惑するが、もちろんジョンは断固拒絶する。

    一方、目が覚めたケイトに「サールン・インスティチュート」の医師から連絡が入る。エスターは少女ではなく珍しいホルモン異常で実は33歳であったこと、わかっているだけで7人を殺していることを教えられた。
    ケイトは自宅へ車を走らせた。

    ジョンに拒絶されたエスターは化粧を拭い、入れ歯を外し、首と手首に撒いているスカーフを取った、そこにはサールン・インスティチュート時代、拘束衣で暴れた際の傷があった。
    家のブレーカーが落とされジョンは滅多刺しにされた。

  • ケイトとエスター
  • 自宅についたケイトはジョンの遺体を発見し、急いでマックスを探す。その最中エスターに銃で撃たれるが致命傷ではなくケイトはなんとか身を隠した。
    しかしマックスが音をたててしまい、エスターは獲物をマックスに変更する。ケイトは娘を守るべくガラス張りの天井からダイブしてエスターに覆いかぶさる形で着地する。
    倒れたまま動かないエスター。

    ケイトはマックスを抱えて外へでる。林を歩いているとパトカーのサイレンが聞こえてきた。
    全て終わったかに思えたが・・・。
    エスターは死んではいなかった。2人に追いつくとケイトに飛びかかりナイフを振りかざす。母親を助けようとマックスはエスターの落とした銃を撃つが、氷のはった湖の表面にあたり、ケイトとエスターは湖に落ちてしまう。
    水中での格闘の末、湖から這い上がろうとするケイト、その足を掴むエスター。
    「お願い私を助けてママ」
    右手にナイフを隠し持ちそう言うエスターに「私はあんたのママじゃない」とエスターの顔面を力のかぎり蹴った。
    エスターは湖に沈んでいった。
    おしまい。

以下感想

  • なんやかんや
  • 夫がエスターを擁護し、妻がエスターを疑う。結果、妻の立場がみるみる悪くなり、最終的に夫はエスターに殺される。という王道すぎる女の勘は大体正しい展開の安定感。
    夫役が見る側のストレス要因となり、そして死んでいくのは映画の常です。

    夫婦の寝室のベッドに勝ち誇った顔のエスター。というように、サイコスリラーとしてエスターが家族を侵食していく過程がしっかりと描かれ、終盤ではエスター自身の苦悩、つまり動機となる根底の要素が、視覚的に、サイコに、描かれている。
    エスターの歪みっぷりがよく表現された映画。

    エスター役の人選がまずもって良い。そこはかとない闇感というのか、影のある風貌。もちろん演技ゆえの印象という部分も多分にある。素晴らしい。

    この映画は、まずエスターの目ざとさや、あざとさという「この子はなぜここまでのことができるのか?」という疑問がついて回る。というか疑問を抱くように作っているというべきか。
    およそ子供にできないだろうという行為が積み重なることで、オチへのハードルが上がる上がる。そしてオチでキッチリ回収してくれるところに映画的な気持ちよさ、締まりの良さがある。

  • というわけで
  • カウンセラーはピンキリだということを忘れないための映画とも言えるかもしれない。
    最終盤、エスターは「私を助けてママ」という無理筋なセリフを放ち、蹴り倒されますが・・・ここにきてこのセリフを吐けるエスターという人間をよく表しているラストかもしれない。

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