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Silver Nullf MoviesReview

ダーク・プレイス

Mystery

Summary

1985年カンザス一家惨殺事件が起きた、犯人は一家の長兄のベン・デイ。
その一家の末の娘、当時8歳のリビー・デイは生き残り、その後の28年間彼女のために寄せられた寄付金で自堕落な生活を送っていた。
そんな生活も終止符を迎えようとしていた、残高は482ドル12セント。
そんな時ライル・ワースという人物から500ドルで会合にきて欲しいという話が。
ライルに会いに行くと殺人に惹かれる人間たちの集まりである「殺人クラブ」での会合に出て欲しいと依頼をされる。
金を稼がなければならないリビーは会合に出ることを了承した。

Review

2015年制作のミステリ・スリラー映画PG12指定作品
監督:ジル・パケ=ブランネール
脚本:ジル・パケ=ブランネール
製作:ステファーヌ・マルシル
原作:ギリアン・フリン

リビー、重い腰を上げる
一家惨殺事件の遺児リビーが、事件の真相に迫る。
現在と過去を切り替えながらの展開、派手さは無し。

以下ネタバレにご注意下さい。

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ストーリー(長いので注意!!)

  • 現実世界の流れ
  • 1985年カンザス一家惨殺事件が起きた、犯人は一家の長兄のベン・デイ。
    その一家の末の娘、当時8歳のリビー・デイは生き残り、その後の28年間彼女のために寄せられた寄付金で自堕落な生活を送っていた。
    そんな生活も終焉を迎えようとしていた、残高は482ドル12セント。
    そんな時ライル・ワースという人物から500ドルで会合にきて欲しいという話が。
    ライルに会いに行くと殺人に惹かれる人間たちの集まりである「殺人クラブ」での会合に出て欲しいという依頼だった。
    金に困っているリビーは700ドルでその依頼を受けることにする。

    会場へと赴いたリビーはライルからまず金を受け取った。
    ライルは「殺人クラブ」は、事件の解決人であり真面目な組織だと話した。
    グループ分けされているらしく、探偵のグループは自分にかけた保険金が必要な人たちの自殺を手伝う連続殺人鬼「負債者の天使」の正体を突き止めているそうで。
    ライルは自分たちのグループへと連れて行った。

    「事件の概要」
    1985年10月13日午前2時ごろ、カンザスの自宅にて1人ないし複数の者がデイ家の3人を殺害。
    末娘のリビーは母親の部屋の窓から逃げて無事、長男のベンにアリバイはなく、警察にも極めて反抗的だった。
    リビーはベンが殺すのを見たと証言、その混乱した証言と幼さにもかかわらず、また物証も欠落しているにもかかわらずベンは有罪に。
    これには当時流行った悪魔崇拝をしていたということが影響していた。

    殺人クラブは釈放のために新しい証拠を提出したいと考えていた。
    しかし経費の削減で10年以上前の証拠は廃棄されてしまう、その期限があと3週間と迫っていた。
    殺人クラブが釈放のために動いていることを知ったリビーは怒り、馬鹿げてると帰ろうとした。
    するとクラブの一人がだらしない嘘つき女とリビーを罵った、あなたは昔から嘘つきだと。
    リビーは真相を知らないくせにと話しその場を後にした。

    ベンが犯人だという考えは変わってはいなかったが、金が必要なリビーは3週間事件を調べることに協力するからとライルから合計800ドルを受けとる。
    リビーはベンに会いに行くことに。

    ベンは妹が会いに来てくれたことを喜び明るく話した、証言をしたリビーを恨んでもいないと話した。
    リビーは兄さんが犯人ね?と聞くと、ベンは誰一人殺してないと強く言ったが、上訴しなかった訳を聞くと、ベンは答えなかった。
    兄さんは嘘の塊だと言いリビーはその場を後にした。

    ライルに事件の調査記録を渡されたリビー。
    ベンは事件のあった頃、少女へのイタズラの疑惑があった。
    11歳のクリシー・ケイツはじめとする少女4人がベンに猥褻な行為を強要されたと話し警察が動いた、ただし最終的に訴えられてはいなかった。
    調査記録に記載されているクリシーの母親に連絡を取り、クリシーのいるストリップクラブの場所を教えてもらった。

    ライルは酒を奢ることを条件に当時の話を聞きクリシーがそれに答える、それを聞いているリビー。
    クリシーはイタズラをされ悪魔に忠誠を誓わされたと話した。
    クリシーは金を借りようとし、リビーは50ドルを貸してあげた、ナプキンに住所と名前「リビー・デイ」と書いた。

    自宅にて、家族の遺品が保管されている部屋へと入るリビーはあの晩母親が滅多に言わない「愛してる」という言葉を発したことを思い起こし、その言葉に引っかかりを感じていた。
    姉のミシェルは詮索好きな女の子で、彼女の当時の日記にはベンの彼女であったらしいディオンドラという女性をけなしている記述があった。
    当時幼かったリビーはベンに彼女がいたことを知らなかった。

    リビーが2歳の頃離婚した父親ラナー・デイは、別れた後も家に来て金をせびるようなロクでもない男だった。
    宿泊所を追い出された父親の行き先を管理人に聞き、有毒廃棄物の捨て場へと向かった。
    ホームレス達の住居を抜けると有毒廃棄物の捨て場に父親がいた。
    父親に話を聞き、ベンが当時トレイという先住民の男といた事と、ディオンドラが妊娠していた事を知る。
    (トレイは悪魔崇拝に傾倒している人物であり、賭けの胴元で、父親は賭けの負け分を払っていなかった)

    リビーはベンの元へと行き、恋人ディオンドラ、そして彼女の子供について質問するが、ベンははぐらかすばかりで知らぬ存ぜぬを通した。

    ライルが調べたところによると、ディオンドラは行方不明になっていた。
    その話を聞いていた時、意外な事にクリシーが貸した50ドルを返しにやって来た。
    クリシーはナプキンに書かれた「リビー・デイ」という名前を見たときに気付くべきだったと話しベンについての真実を語り始めた。
    ボランティアで美術クラスを教えていたベンに夢中になったクリシー。
    ただキスを1回しただけの仲だった、それからベンは年の差をわきまえクリシーと距離を置いたらしく。
    そのことに怒りを覚えたクリシーは友人達に空想の混ざった自慢話を披露した、妄想話は雪だるま式に膨らんでいき、最終的に「悪魔崇拝やイタズラされた」まで発展してしまった。

    ライルとリビーはトレイの元へと話を聞きにいった。
    トレイは悪魔崇拝から抜け出し真っ当に生きているようだった。
    ディオンドラは甘やかされた娘で家出をしては戻ってを繰り返していたと話すトレイ。
    ディオンドラは別人を演じることが好きだったそうで、「ポリー・パーム」など偽名を作り別人を演じていた。
    それを聞いたライルとリビーはベンの腕にあったタトゥーの「ポリー」はディオンドラの事だと気付く。
    ポリー・パームで調べ、ディオンドラの現住所がわかる。

    リビーがディオンドラ宅を訊ねると、彼女はリビーだと気付き、いつか来ると思っていたと迎え入れた。
    ディオンドラはあの晩ベンと町を出る予定だったが、ベンが金を取りに家に戻ったまま帰って来ず、朝になって殺人の話を聞いたと。
    そして父親に書き置きを残し家を出たとリビーに説明した。
    子供はどこかと尋ねると、娘が姿を現した。
    ディオンドラは娘クリスタルに事情を全て話していた。
    リビーは洗面所へ。

    洗面所にいるとライルから連絡が入った。
    連続殺人鬼「負債者の天使」をリビーの母親が雇ったのだとライルは教えた。
    ライルに迎えを頼み電話を切ると、洗面台にかけてあったアクセサリーの中に母親の大事にしていた家宝のネックレスを発見する。
    それを靴に隠し帰ろうとするが、ネックレスが無くなっている事に気づいたクリスタルに後ろから殴られリビーは気を失ってしまう。

    意識を取り戻したリビーは地下へと逃げ小窓から脱出した。
    クリスタルは小窓から上体を出すとリビーに発砲したが弾はリビーには当たらなかった。
    森に逃げ込んだリビーをディオンドラとクリスタルは捜し歩くが見つける事はできなかった。
    森に身を潜めるリビーは事件が起きた晩に隠れていた時のことを思い出す。そこへライルが迎えに来て怯えるリビーを落ち着かせた。

    その後。
    ディオンドラはカンザス一家惨殺事件に関与しているとして逮捕され、娘クリスタルは未だ逃走中。
    ベンは間も無く釈放される。
    そして「負債者の天使」ディールも逮捕された。
    リビーの求めていた普通の人生が、今やっと始まったとさ。
    おしまい。

  • 事件の真相
  • 1985年。
    トレイ(賭け元の先住民の男)とディオンドラ(家出娘)の影響で悪魔崇拝に傾倒するベン、ディオンドラのお腹にはベンとの子供が宿っていた。

    年下女子のクリシーはボランティアで美術を教えてくれていたベンといい感じになるが(1回のキスのみ)、いけない事だとベンが距離を置き、その事にクリシーは腹をたてる。
    クリシーは友人達にベンとの空想の話を披露し、嘘に嘘が重なった結果ベンは「悪魔崇拝のイタズラ野郎」にされてしまう。

    イタズラ疑惑が大人達の耳に入る事になり、ベンの母親が呼び出される。
    母親がベンの部屋を調べると、女の子の名前が羅列されたメモと、子供服が。
    これはディオンドラとの間にできた子供のためのものだったのだが、母親はイタズラ疑惑と結びつけ絶望する。
    貧困に喘いでいた一家、その上息子のイタズラ疑惑で弁護費用も捻出しなければならない母親は「負債者の天使」に自分を殺してもらう依頼をする事に。
    (「負債者の天使」は自分(今回は母親)にかけた保険金が必要な人たちに渡るように自殺を手伝う連続殺人鬼)

    ベンのイタズラ疑惑を聞いたディオンドラはベンと町を出る事にする。
    事件の夜、ベンは金と荷物を取りに一旦自宅へと戻った。

    足を忍ばせ自室へと入ったベンは、赤ん坊のために用意していた服を探すが無くなっていた(勘違いした母親が燃やした)。
    ベンとディオンドラの会話をドア越しに聞いていた長女のミシェル(告げ口娘)は部屋へ入ってくると「全部聞いた」と。
    怒るディオンドラは逃げるミシェルを子供部屋で捕まえ押さえつける、ベンに止められ一旦落ち着く。

    「負債者の天使」は家に入り廊下に出てきた母親を刺す(リビーは母親の部屋で寝ている)。
    一方子供部屋では、ミシェルが妹デビーに「ママの所へ」と促し、それを聞いたディオンドラはまたもミシェルに襲いかかり、デビーは廊下へ出る。
    廊下へ出たデビーは「負債者の天使」と鉢合わせてしまい射殺されてしまう、まだ息があった母親も射殺される。
    「負債者の天使」は逃げる。
    ベンが廊下に出ると2人の死体、部屋に残ったディオンドラはミシェルを殺してしまう。
    ベンがディオンドラの元へ戻るとミシェルが死亡しており、警察に通報しようとするがディオンドラが止める。
    母親の部屋にいたリビーはただならぬ雰囲気に窓から外に逃げ出す。
    ディオンドラはリビーをも殺そうと考えるがベンが止め、ベンはリビーの後を追い、隠れていたリビーにそこでじっとしているように話す。
    その時ディオンドラは廊下に出て母親の家宝のネックレスを盗んでいた。

    そしてベンは生まれてくる娘のために口を閉ざし犯人として28年間生きる事になる。
    ディオンドラはポーラとして行方をくらます。

以下感想

  • なんやかんや
  • 一族を卑下しているリビーの人生への諦めとそれに伴う無気力は、金があればこそであった・・・
    リビー、重い腰をあげる
    家族を失って8歳で人生を諦めたリビー。
    28年後、寄付金が底を突く・・・。
    リビーが人生を手に入れる道程を描いた映画

    現在と過去描写を交互に見せながら真相へと向かう展開。
    リビー視点のちょこっと回想もあるけども、基本的には登場人物視点での回想というわけではなく、過去の描写が客観的に提示されて事件までの道程を追っていく
    という事は、登場人物が語ったり思い出すといった主観の影響で過去描写が歪んで(作為的に)伝わるということがない。
    つまり、過去の描写に意図的な齟齬や、ミスリードはなく、真実の話
    したがって、冤罪であることは最初から確定しているわけで、終盤に裏切るような展開にはなり得ません。

    「冤罪なのか、冤罪ではないのか」という展開を見せたいわけではないのは伝わるし、この映画は、事件の日からある意味牢獄に囚われているリビーが出所(比喩)する成長物語なんだろうと思う

    しかし、過去描写の語り手が「信用できる客観的事実」となると・・・。
    ミステリー枠における私の勝手な期待もあり・・・面白みというのか、楽しみが減ってる気がしたんですな

    オチ自体は子供ならではの嘘や母親の勘違いなどなど、いろんな要素が重なってのわちゃわちゃした展開で、なんら文句を言うつもりはないんです。
    ストーリーとしての展開上の謎はもちろんあって、真相へと進行していくわけですが。
    前述の「過去描写が客観的うんぬん」というところで結果、見せ方としては「謎めいてるという楽しみ」が失われている

  • というわけで
  • 何らかの仕掛けを期待していることが問題なのかもしれませんね・・・。
    リビーの内面をもっと頂戴よというところもあり、また派手な作品じゃないこともあって、終盤までの流れの物足りなさは感じたのでありました。

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