
Summary 西部の荒野キャニオン・デ・シェイでのキャンプ中、自閉症の少年マイケルは地下遺跡を発見し、そこにはめられていたカラス・コヨーテ・ヘビ・バッファロー・オオカミを紋様の書かれた5つの石を家に持ち帰る。 それから…Read more
CGを使わず3匹のシベリアンタイガーを使って撮影されたそうで、実物の虎が家で躍動するシチュエーション虎スリラー。
斬新であり、シンプルなストーリー。突っ込みすぎず楽しみましょう。
生きるか死ぬかの極限に置かれて、ケリーは弟が大切だと知る。そして弟と生きて行く覚悟を決める、というお話。
ケリーが自分の人生と弟の世話の狭間で葛藤していたことを、感覚的に理解していたトム(トーマス)も、ケリーの想いに触れて覚悟を決める。母親の死を認めることができたと言ってもいい。
虎との生死をかけたやり取りのスリラーと、同時進行的に進むケリーの人生の葛藤がそこにある!!
無駄を削ぎ落としてシンプルにテンポ良く、シチュエーションスリラーらしい作品。シンプルさゆえの無駄のなさが必然的にテンポの良さに繋がっている。
この単純明快さよ。ただ逆に物足りないと感じる場合もあるのかもしれない。
、ケリーを薄幸少女として描くという明白な構造で突き進む
家に虎はシチュエーションとして新鮮ということと、何より現実路線に沿った存在だからこその良さがある。脳を弄られたり、遺伝子操作で異形となっているわけでもなく(それはそれで嫌いじゃないけど)。
虎に何か思惑があるわけではなく、ただお腹が空いているわけで、何より生理的な理由であることと。加えて話の通じない動物への恐怖、実際のシベリアンタイガーが躍動するという意味においてもリアリティのある構造が出来上がっていて、大変よろしいんじゃないかと。
。
ストーリー(長いので注意!!)
街にはハリケーンが近づいていた。
一方、ケリーは自閉症の弟トム(トーマス)を連れてケアセンターへと来ていた。
母親が亡くなり、二人は義父のジョニーと暮らしていた。母親が残したお金を使って自閉症のトムをケアセンターに入れ、サラは大学へと進学する予定だった。
弟を施設に入れ、大学で寮生活が始まると思っていたケリーだったが、施設への入金が残高不足でできていないことが分かる。そんなはずはないと確認するサラは、義父のジョニーが全額引き出していることを知り、弟を連れて実家へと戻った。
ジョニーは従業員達にハリケーン対策の板を家に貼ること支持する。
ケリーは自宅へと戻り、ジョニーを問いただした。ジョニーは虎を買って全て使い切ったと悪びれる様子もなく語った。
弟の世話をジョニーに任せることなどできず、しかしその影響でこれまで大学への進学を延ばさざるを得なかった。大学の奨学金も白紙に戻されるかもしれない状況にケリーは苦悩する。
ケリーとトムが寝静まったその夜、檻を玄関へと付けたジョニーは家の中に虎を放った。
朝目覚めたケリーは物音に不審がる。階段から一階を見るとそこには廊下を歩く虎の姿があった。
携帯が見つからず、固定電話も通じない。トムの元へと向かうがベッドにいない。
携帯を見つけ911へとかけるもハリケーンの影響ですぐには繋がらない。ジョニーに連絡をするも繋がらない。家はハリケーン対策の板が全てに貼られており、外への脱出ができない状況におかれていた。
洗濯室の小窓から板を破壊して脱出しようと試みるも、腹を空かせた虎が入ってくる。間一髪でランドリーシュートの中に身を隠すも携帯を落としてしまう。
携帯に911からの着信が鳴るが、虎に踏み潰され携帯は使い物にならない状態に。虎はランドリーシュートの中を見上げケリーを見つけた。
ケリーはランドリーシュートをよじ登りなんとか2階へとたどり着いた。ふと横をみるとトムが座っていた。
虎に執拗に追われ、なおかつ触られることを嫌がる自閉症のトムをなんとか誘導しながら脱出を試みるケリー。義父の部屋で銃を探している最中に自分に掛けられた生命保険の書類を発見する。受け取り人は義父だった。
残酷な事実と過酷な状況に弱気になるケリーだったが、気を持ち直し銃を発見する。
洗濯室から脱出しようとトムを連れて行こうとするが、トムは我関せずといった様子でリビングへと歩いていき、母親との思い出のビデオを見始める。トムを連れて行こうとするが嫌がるトム。鏡に気を取られていた虎も嫌がる声に反応し、ケリーを見つめた。
一直線にケリーを追ってくる虎からなんとか逃げ洗濯室へと入る。
洗濯室の小窓に貼られている板を破ることに成功したケリーは間一髪で外へと脱出することに成功した。
弟を置いて逃げれば、ケリーは自分の人生を取り戻せる。前々から心の中にその葛藤を抱えていたケリーは車に乗り込みトムをおいて行こうとするが、思い直しトムを助けるために再び家の中へと戻る。
トムは破壊されたクローゼットの隅で座り込んでいた。ケリーはトムを絶対に見捨てないと話し、二人で脱出することに。
バスルームにある物で簡易の松明を作り、洗濯室へと向かう。虎は二人を見つけ襲ってくる。残り1発の銃も致命症は与えられず、松明で牽制しながらキッチンへ、大型のクーラーボックスに二人は逃げ込みやり過ごし二人は眠った。
ハリケーンも通り過ぎ、静寂の中クーラーボックスから恐る恐る出る二人。
ジョニーは玄関の板を外し銃を構えた。
そこへやって来たのは虎ではなくケリーとトムだった。生きていることに驚くジョニーにケリーは全てわかっている旨を伝え、外へ出ようとする。
ジョニーは母親と一緒だなと話し、ケリーの母親もジョニーを見捨てようとしたと続けた。それを聞いたケリーはジョニーが母親を殺したのだと悟った。
次の瞬間ジョニーは虎に襲われる。虎は続けてケリーたちを襲うようなことはぜず、ケリーたちを追い払うように吠え、食事を始めた、ケリーとトムは外へと出た。
ケリーの手をトムは握った。
おしまい。